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よく学び、よく遊ぶ夏

森本直樹

こんにちは、森本です。

福岡市で「きりんアフタースクール」という民間学童を運営しています。


さて、小学生は夏休み真っ盛りですね。毎日異常な暑さに負けることなく、元気に過ごしています。

今日は夏休み中のアフタースクールの様子を紹介しつつ、少し「遊び」に焦点を当てて書いてみたいと思います。


朝の学習タイムから始まる1日


きりんアフタースクールの夏休みの1日は9時からの学習タイムから始まります。

頭がすっきりした状態で学習が始まるので、心なしか日頃の学習よりも集中力も高まります。




例年のことですが、日常の放課後よりもプリントを解く枚数も増えている子が多く、カリキュラムを進めるペースがアップしている子も多くいます。また、過去の課題に遡って一気に復習をしたりと、個々の状況に合わせながら学習を進めていっています。


きりんアフタースクールの夏休みは、とにかくいろんな経験を積むことを大事にしていますが、毎日の基礎学習の学習習慣を崩さず学習の時間と遊びの時間のメリハリをつけています。


遊びの中で得られるものとは?


先ほども書きましたが、きりんアフタースクールの夏はたくさんの未知の体験を通じていろんな経験をします。


このあたりをもう少し掘り下げて書いてみようと思います。


、、、


朝の学習タイムが終わると、夕方までの時間は野外体験に出かけたり、施設に残って制作活動や実験などの活動を行います。それらの活動はすべて行程が時間通りに決まっているというわけではなく、けっこう子どもたち同士で自由に遊んだりする時間も意図的に作っています。


きりんアフタースクールの子どもたちは遊びを通じて様々なものを学んでいます。


あえて端的に書くとすれば、

・異年齢の子同士の協働

・「無」から「有」を作る楽しさ

・挑戦しようとする気持ち

の3つに集約されるのかなと感じています。


私が直近で実際に目にした場面を少し紹介していきます。


上級生が下級生をリードする


先日、川で遊んでいた時のこと。川に入りたくても怖くて身動きがとれない1年生の子がいました。

その時に上級生の子が「大丈夫か」と手を差し伸べ、手をつないで一緒に川に入ろうとしたり、抱きかかえて岸に渡してあげようとしている姿がありました。




私自身が小学生の頃の夏休みといえば、近所の子同士で集まって自然と上級生が引っ張る形で遊びを作り、それに混じって遊んでいたのをよく覚えています。


上の学年の子は、集団の中のオーナーシップ(=何事にも主体的に取り組む姿勢や気持ち)を遊びの中で学んでいくんですね。下の学年の子は、上の学年の子たちにされたことを上の学年になったときに、また返していきます。


遊びは「超」主体的な行為である


子どもは遊ぶ天才です。何もないところでも自分たちでルールや世界観を作って楽しむことができます。

これらの一切は誰かに「させられている」ものではなく、自分たちがやりたいからやっているという極めて主体的な行為です。


昨日は高学年の子たちと川で遊んでいましたが、川の中に砂を積んで山を作り始め、そこに自分たちの世界観を作りながら楽しんでいる姿がありました。


きりんアフタースクールの子たちを観ていて、本当に感心するし尊敬するのは、限られた環境の中でみんなでどう楽しむかを考えながら、自分たちで遊んでいます。


最初は「何をして遊んだらいいですか」と言っていた子たちも、周りの子に引っ張られながら、自分で今できる遊びを考えながら楽しめるように成長していきます。


遊びを作るというのは「無」から「有」を生み出す非常にクリエイティブな営みなのだなと子どもたちを観ていて考えさせられます。


やってみたらできたという経験を積みやすい


野外体験中の遊びが一番分かりやすいのですが、小学低学年の子たちにとっては「やったことがない」未知の体験のオンパレードです。


不安、恐怖といったネガティブな感情を抱えながら子どもたちは様々な活動に挑戦しています。


「水を怖がっていた子が川に入って遊ぶことができた」


「虫に触るのが苦手だったけど自分で捕まえることができた」


などなど、初めての体験に挑戦して乗り越えていく瞬間を先週から何度も目にしました。その時の「できた」という経験は自己効力感を高めることに直結します。


「自分もやればできるんだ」という気持ちを遊びの中で得ていきます。この体験が下支えとなって、成長していくなかでのあらゆる場面での自信や、最後の最後で踏ん張る力につながっていくと信じています。





ここまで、私たちが現在送っている夏休みの価値を主に「遊び」という側面から書いてきました。


「遊べない子どもたち」というのは大きな社会問題となっています。現代を生きる子どもたちは造られた環境の中でしか遊ぶのが難しくなってしまいました。


結果的に遊び(イタズラも含めて)が足らないまま大きくなっていってしまいます。先ほども書きましたが遊びは主体性を育む極めて能動的な行為です。


たくさん遊び、自分の頭で考えられる自立した人材に育っていってほしいと願います。


きりんアフタースクールの夏は始まったばかり。まだまだたくさん遊びますよ!


では、また。

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